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ロハスプリンティングとSDGs その3 短納期対応で環境適正も優れているLED-UV印刷
「UV印刷」は紫外線でインキを硬化させる速乾印刷のこと
「紙」に印刷する印刷方式の多くは、印刷後にインキの乾燥時間が必要で、極端に乾きにくい用紙では半日~1日かかる場合もあります。
それに対しUV印刷は紫外線(UV)を印刷直後に照射すると約0.2秒でインキが硬化するため、印刷直後から次工程での加工・製本が可能となります。
その他にも厚紙や乾燥しにくい用紙などは「速乾」でインキ表面が硬くなるため、加工工程でのコスレやキズ等のトラブルも低減されるメリットがあります。
UV印刷は厚紙のパッケージ印刷やシール・ラベル印刷など、また紙以外のクリアフォルダーなどのフィルムへの印刷には欠かせない印刷方式です。
「UV印刷」の特長
UV印刷のメリットを上げてみましょう。
○瞬間的にインキが硬化するので乾燥待ち時間がなく、すぐ加工に入れるため、短納期・生産性に貢献
○インキ表面皮膜が硬く傷つきにくい
○紙以外にPETフィルムやプラスチックなどにも使用
○裏付きやコスレ、パウダー(通常の印刷で乾燥促進のために使用する)事故がない
○UVインキには鉱物油が含まれないのでVOC(揮発性有機化合物)が出ない
○UVニスなどの応用で多彩な表面加工の展開ができる
しかし良いことばかりではありません。デメリットもあります。
●インキが瞬間硬化するためインキ表面に平滑性が無く、品質面で落ちる(光沢・メリハリに欠ける)
●インキ価格、UVランプ、付帯設備が高価
●脱墨性が低いため用紙のリサイクル適性が落ちる
●暗色・高膜厚では硬化性が落ちる
●UV照射時にオゾンが発生するため独特の臭いがあり、脱臭が必要
●大量の電力を消費する、ランプの発熱が高温になる
「LED-UV印刷」がデメリットの多くを解消
速乾という特性を持ちながら、デメリットもあった従来のUV印刷方式が大きく進化したのが「LED-UV印刷」です。
従来のUV照射ランプに代わりLEDランプを採用したこと、この方式に特化したUVインキが開発されたことで、デメリットの多くが解消されました。
◎品質面ではインキの改良により、極端な光沢・メリハリに欠けることもなくなり、マット紙であれば従来印刷方式と同等になりました。
◎UVランプ、付帯設備もLEDは高寿命、低電力なのでランニングコスト的には安価になります。
◎インキの改良によりオゾンの発生を抑制したため臭いもありません。
◎発熱も抑制されたため、印刷機械・資材・室内環境への影響も低減された。
このようなメリットがありながら、実は困った課題も残ります。
それは●インキ代が高いこと。通常のインキに比べると、従来のUVインキは2倍と高価ですが、LED-UVインキは約3倍もするのです。(ヒィ~)。
小台工場は2台のLED-UV機で短納期に対応します
この新技術を得て、2013年にLED-UV搭載の4色機(片面カラー印刷)を導入、その後2019年には片面10色機・両面5色+5色印刷可能なフラッグシップ機に、後付けでLED-UVランプ2台(両面同時印刷のため)を増設し、24時間対応の速乾印刷を開始しました。
さらに昨年2020年はこのフラッグシップ機を、両面4色+4色専用のカラー印刷機に更新しました。
LED-UV印刷は速乾による短納期対応はもとより、低電力・装置の長寿命・印刷室内環境の改善(熱・臭気・パウダーレス)等のすぐれた環境適正と合わせ、小台工場の主力マシンとして活躍しています。