ぬかぴーのツブヤキ
発信者:ナナわんこ
2024.08.23
╞╪╡ 鐵 學 ╞╪╡ (32) 高原鉄道の晩夏
「鐵學(てつがく)」と称して、永遠に交わることのない2本のレールにまつわるお話をツブヤいています。
今年も記録的猛暑となり、またお盆を直撃した台風や夕立とは言えない突然の豪雨に何度も見舞われ、さんざんな夏ですね。昨日は処暑(だんだん涼しくなる頃)でしたが、まだまだ熱帯夜が続きそうで秋が待ち遠しい毎日です。
そこで今回は、半世紀も前になりますが、さわやかな高原鉄道に秋の気配を感じる風景をご紹介します。
晩夏の小海線へ
(現JR)小海線は中央本線・小淵沢駅と旧信越本線小諸駅を結ぶ約79kmの地方路線。その南側は八ヶ岳のふもとを通るため、旧国鉄線の標高の高い駅ベスト10のうち9駅があるくらいの高原鉄道で、昔も今も人気が高い路線です。
私も中学生時代には残された蒸気機関車を追って夏休み・冬休みに通った思い出深い路線でもあります。
今回は夏休みも終わりに近い1972年の晩夏の情景をご紹介します。
前夜の新宿からの夜行列車(しかも各停の客車)で南端の小淵沢に着き、北端の小諸までの全線を乗り、所々で降りて撮影しました。家に帰ったのは日付が変わってからなので、足掛け3日の楽しい旅でした。
小海線の清里駅周辺は80年代のバブル期に「ペンションブーム」で俄かに人気観光地となり、夏は新宿よりも人出が多いといわれるほどヤングで賑わいました(懐かしい表現ですね)。いまでは清里駅周辺はその面影も無く、昔ながらの山の小駅となっていますが、小海線全線を通じて好ましい高原鉄道の面影は残っています。