TOP ぬかぴーのツブヤキ ╞╪╡ 鐵 學 ╞╪╡ (30) 今も残る100年以上前の橋梁

ぬかぴーのツブヤキ

発信者:ナナわんこ
2024.08.09

╞╪╡ 鐵 學 ╞╪╡ (30) 今も残る100年以上前の橋梁

「鐵學(てつがく)」と称して、永遠に交わることのない2本のレールにまつわるお話をツブヤいています。
今回は100年以上前に作られた橋梁についてです。

いまの西武池袋線の開通時からの橋梁が残されている

東京方面から西武池袋線に乗り飯能に近づくと、入間川を橋梁で渡りますが、その左手を見ると赤さびた橋(橋梁)が1本架かっています。通勤で車窓から眺めても何の不思議もなく通り過ぎていると思いますが、この橋梁は土木方面では結構有名な「旧入間川橋梁」といいます。

よく見ると、電車の手前に赤茶色の旧橋梁とレンガ積みの橋脚が見えます

西武池袋線の前身である武蔵野鉄道が池袋~飯能間で開通した1914(大正4)年に旧入間川橋梁も架けられたので、今年で110年を迎える旧い橋梁です。正式には上路プレートガーダー橋といい、橋桁(はしけた)は赤くさび付いていますが、レンガ積の橋脚はまだしっかり残されています。

いまの地図には旧橋は書かれていません(地理院地図 電子国土Webより)
1961年頃の航空写真ではまだ現役の旧橋梁(下側)、上に工事中の新線が見えます(地理院地図 電子国土Webに一部加工)

第2次大戦後、西武鉄道となり輸送量の増加に伴い複線化工事が進められ、1969(昭和44)年 に新しい橋梁が下流側にかけられたので旧橋は廃止されました。
いまでも橋梁のほかに軌道盛土は撤去されずに残っており、少しですがその経路も辿れます。
土木遺産としても貴重な旧入間川橋梁をぜひ見学してみてください。

レンガ橋台や玉石積みの擁壁もよく残っています
この角度から見ると、山間のローカル線のようですね
いまの橋梁に比べるとスリムな幅の橋桁