TOP ぬかぴーのツブヤキ ╞╪╡ 鐵 學 ╞╪╡ (19) 旧国鉄本社ビル その2

ぬかぴーのツブヤキ

発信者:ナナわんこ
2024.05.24

╞╪╡ 鐵 學 ╞╪╡ (19) 旧国鉄本社ビル その2

「鐵學(てつがく)」と称して、永遠に交わることのない2本のレールにまつわるお話をツブヤいています。
今回も東京駅丸の内口にあった旧国鉄本社ビルのつづきです。

知られざる戦争の痕跡が

第二次世界大戦中の1945(昭和20)年5月25日の空襲で、東京駅の駅舎は火災となり、3階から屋上部分がすべて焼失してしまいました。復旧にあたっては終戦当時の資材不足もあり10年持てばよいとの構想で2階建て、ドームが角ばった形に修復されましたが、結局復元工事が2012年に竣工するまで、終戦時の姿をとどめていました。

焼けた東京駅の姿はこちら(朝日新聞DIGTAL)

空襲への備えとして、皇居にも近く官庁や企業が集積していた丸の内では防空体制が敷かれ、戦後GHQが接収していた旧第一生命ビルの屋上にも高射砲が設置され、台座も残っていました。

旧国鉄本社ビルでも空襲対策として1941(昭和16)年に屋上に設計上1トン爆弾に耐える厚さ約50cmの耐弾層が作られ、窓には爆風よけを設置、さらに外壁は黒く戦時迷彩に塗装する工事が行われました。
この耐弾層のことは以前から知っていたので、見学会の特には興味深く見てきました。丸の内だけでなく、銀座や霞が関のビル街も同様な防空施設が作られていたようです。

50cmの厚さのコンクリートで補強されました
1トン爆弾に耐える約50cmの耐弾層

私が中学生くらいまでは、都心にも高いビルはなく、新橋から東京駅までの車窓左手には、丘の上に鎮座する国会議事堂の全景(ものの例えとして国会議事堂○個分というようないまの東京ドームと同じ大きさの事例とされていました)がよく見え、さらに霞が関から丸の内のビル街も高さ制限があったためスカイラインが揃った美しい街並みでした。
特に冬のビル暖房は石炭火力によるスチーム暖房だったため、各ビルの煙突から黒い煙がもくもくと上がる様子が眺められたものでした。

黒い煙を吐き出していただろう煙突
屋上には電気室(?)も