ぬかぴーのツブヤキ
╞╪╡ 鐵 學 ╞╪╡ (9) 鉄道の信号 その1
「鐵學(てつがく)」と称して、永遠に交わることのない2本のレールにまつわるお話をツブヤいています。
その第9回目は、「信号」についてです。
鉄道と道路の信号の違い
道路の交通信号は皆さんがご存じのように、「青から→黄→赤」で停止に、停止からは「赤→青」にかわります。しかし鉄道は列車がある区間に進入するとその信号は「赤」にかわり、その列車の進行に合わせて「赤→黄→青」と変わっていきます。鉄道の場合は突然赤信号に変わることは基本的に緊急事態の場合なので、1本の信号機は「赤→黄→青」に変わります。次に説明しますね。
ちなみに道路の信号も国によって違いがあり、ドイツでは赤信号で停止していると「赤→黄→青」と黄色をはさんで青に変わります。日本にように赤から青にすぐ切り替わるのとは違うので、戸惑うかもしれません。また青・赤の2灯式の歩行者信号は、日本の場合は青から赤に変わる場合は点滅してくれますが、これも点滅無しでいきなり赤に替わります。慣れないと少し怖いです。
鉄道の信号機の色が変わる順番
では上の図をもとに、鉄道信号のしくみをご説明します。
いま101列車が右に向かって走ってきて、区間③の前にある信号機③が青(進行)を示しているので区間③に進みます。すると区間③には101列車が入ったので、後からくる列車を止めるため信号機③は赤(停止)を示しました。この区間(閉塞(へいそく)といいます)には1本の列車しか入れません。つまり区間の入口に立っている信号機はその区間の進入可否の状態を現しています。
101列車が区間②に進むと、信号機②は赤(停止)に、信号機③は黄(注意)に変わります。黄(注意)信号は速度の制限など徐行で注意して進むことができる表示です。
さらに101列車が区間①に進むと、信号機③は青(進行)を示すので、後続の103列車が進行できます。
信号機③の時間経過を見ると「青→赤→黄→青」と変化することが、また101列車は3つの区間を青で徐行することなく進行している様子がおわかりと思います。
列車は高速で移動するので、連続する閉塞区間の状態を示すことで、前の列車に追突することなく安全に走行するしくみが鉄道信号の役割です。
7回目にご紹介した「タブレット」を使用する単線区間は、閉塞区間はひとつですが、複線で次々と駅間を列車が通過する場合は、この閉塞区間を複数設け、信号の表示に従い運行しています。
信号機の種類などについては次回に。
(つづく)